初めてのエジプト旅行,チャネリング・コンファレンス出発当日

2017年11月28日

二十五年前の今日一九九二年十一月二十八日は私の初めてのエジプト旅行への出発日。当時の私は東京芸大油画科の大学院二年生、エジプト出発前にはギザのピラミッドのエネルギーを日本に転送したいというアイデアが浮かび長さ二メートル程のステンレスパイプ四本を斜辺に使い四方の底辺をステンレスの鎖で囲むという簡単な構造でギザの大ピラミッドと同比率の骨組みピラミッドをつくり大学の研究室に設置しておいた。この時期のエジプト出発前には父親が会社の健康診断で大きな病気が見つかるという出来事もあって、エジプトに出かける前の数日間は大学を休み伊豆の実家に戻っていた。父には何度もエジプト行きをキャンセルするように言われたが、この時期にエジプトを訪れることは私自身の運命の流れの中で起こるべくして起こる事項であるといった感触はこの頃までにピークに達していて、結局予定通りエジプトへ出発することになった。当時の父は三島駅からそれほど遠くない沼津ヤナセに勤めていて当日の朝は彼の車で会社に向かう途中、三島駅の新幹線改札口まで送ってもらった。この日は空に雲一つ見当たらないほどの快晴で、冬の澄み切った空に真っ白い雪をかぶった富士山が朝日に輝いていた。そして三島駅で車を降りるときに父から旅費の足しにとちょうど財布に入っていた二万円を渡される。また「もし自分が手術になるようなことがあった場合には旅行の途中であってもすぐ日本に戻ってきてほしい」と言われた。父親と別れた後、新幹線と成田エクスプレスを乗り継いで成田空港に向かった。
空港の出発ロビーで今回のエジプト・チャネリング・コンファレンス・ツアーへの参加メンバー全員に会う。その中の数人は十月のツアー説明会の時にすでに見かけていた。そして東京で行われたバシャールの公開チャネリングにもいっしょに参加していたミュージシャンの女性もいた。一九九二年の十一月後半から十二月前半にかけての時期は一〇〇年に一度の星々が集まる時であるとも言われていたそうで、参加メンバーの中にはそういった情報を占星術師から伝えられ今回のチャネリング・コンファレンスへの参加を決めた人もいたらしい。そしてここで言う星々が集まる時というのはこの地球に起源を持つ様々な宇宙存在達が再び地球に戻ってくる時期を意味しているそうだった。日本から参加したツアーメンバーは二六名でそのうち十四名が私と同様のナイルクルーズでルクソール周辺を周遊するオプショナルツアーの付いた十四日間のロングコースに参加していて、他の十二名はコンファレンスの開催されるギザのピラミッド・エリアだけに十日間滞在するコースに参加していた。そしてこの他に添乗員と通訳の女性、今回のツアーを企画した日本側のイベント会社の社長他一名でちょうど三十名だった。エジプト、カイロまでの搭乗便はこの日夕方発のエジプト航空の予定になっていたが、出発が近づいた頃になり午前十一時発のロンドン経由の英国航空に変更になった。そのためカイロへの到着予定時刻は最初の予定よりも数時間早くなり出発前の予定よりも一泊分ホテルに滞在する日が増えることになった。搭乗便はBA006便、このロンドンまでのフライトでは窓際の隣の席に若くて綺麗な日本人女性が座っていて、機内の食事が始まった頃から彼女と話し始めた。彼女はイギリスに住む現地の彼に会いに行くところだと話していた。そして彼女の友人にスチュワーデスが居るそうで、その友人の話ではファーストクラスに座る社長さんなどは時々名刺を持ってナンパしにくることがあるそうだといったことも教えてくれた。飛行機での移動は十時間以上あったが、東京との時差が九時間ありロンドン到着時はまだ同日の午後だった。
空港に到着後、カイロへの乗り継ぎ便の午後四時半発BA155便の搭乗ゲートへ向かう途中まで隣の席に座っていた日本人女性と並んで話しながら歩いた。そして別れ際に「次に日本へ戻ったときには一応連絡くださいね。」と言い彼女と別れ、私はカイロ行きの乗り継ぎ便の搭乗ゲートに向かった。そしてその頃までには参加メンバーの雰囲気が変化してきていることに気付く。名古屋から参加した女性メンバーの一人はエジプト王家の人のような高貴なオーラを漂わせてしまっていて、私自身も全身が熱くなる感覚があった。まだピラミッドを見てもいないのにエジプトの大ピラミッドの波動が自分自身の内側から湧き起こってきているような印象で自身のエネルギーがエジプト到着前からすでに上昇し始めているのがはっきりと感じ取れた。一般に瞬間移動のテレポーテーションは超能力の一種のように考えられているけれども実際にはすべての移動がテレポーテーションで成り立っていて、場所を移動するというのは今現在の自身の波動から自分の移りたい場所の波動に自身の波動を変更するだけなのだというこの一か月ほど前に東京の公開チャネリングでバシャールが語っていた話が思い出されてしまった。徒歩などによるゆっくりとした移動でさえ自身の波動を瞬間毎に変更していくことによって成り立っているという話。他にこれはバシャールの語った話ではないが物理次元で起きる出来事は実際にこの次元に反映される前からエネルギーの方が先にやってくるといった話、そういった話も思い出された。その後英国航空BA155便でロンドン、ヒースロー空港を飛び立ちカイロの現地時間で深夜の午後十一時過ぎにエジプトのカイロ国際空港に到着した。

エジプト,デンデラのハトホル神殿にて 撮影1992年12月
エジプト,デンデラのハトホル神殿にて 撮影1992年12月
公開日 2017年11月28日 火曜日- 2018年11月28日 水曜日[更新]

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