バハマのビミニ島、死者の日とアトランティス

2014年10月31日

メキシコでは十一月一日は死者の日と呼ばれ、その前夜の十月三十一日の夜から先祖達の霊が現世のこの世界に戻ってくるとも言われているそうだ。そして十年前の今日、二〇〇四年十月三十一日はフロリダからそう遠くないバハマのビミニ島にいた。ここ数年、特に二〇一二年の冬至の時期にエジプトのギザを訪れてからは私自身のエネルギー体が時には肉体の存在感を圧倒してしまうほどまでに活性化されてきてしまっているので、聖地やパワースポットのエネルギーも以前よりも遥かに感知し易くなってきている。しかしながら十年前の生まれて初めてビミニ島に到着した時点での私にはこの小さな島がアトランティスのエネルギーとつながることのできる特別に強力なエネルギー・ヴォルテックスであるということはほとんど実感できずにいた。 
そして十年前の今日は現在はもう火事で焼失してしまったヘミングウェイに所縁のあるコンプリートアングラー・ホテルに滞在していた。その夜は一九三〇年代にヘミングウェイが泊まっていた部屋として宿の主人に聞いていた二階の窓から海の見える部屋に泊まることになった。そしてこの日はまだ日本からの長旅の移動の疲れが残っていて、日没後のまだ早い時間にベッドにもぐって眠りについてしまったような記憶がある。そして次に目が覚めた時には下の階、一階にあるヘミングウェイの写真の飾られたホールの辺りから大音量が聞こえてきていた。ちょうどこの日は日曜の夜で、毎週この夜はこのホテルの一階で現地の若者によるライブコンサートが行われるパーティーが開かれていたらしい。うるさくてとても眠れないと思いながらも時々ボブ・マーリーの私のお気に入りだった曲なども演奏されていて、そんなときには曲に聞き入ってしまう瞬間もあった。しかしながらパーティーの騒音は夜が更けてきても鎮まる気配がなく、そのうち完全に目が覚めてしまい仕方なくホテルの外に散歩に出ることになった。 
ビミニ島はエドガー・ケーシーのリーディングなどで失われたアトランティス大陸の最も高い場所に位置していた海に沈まなかった陸地の一部であるとも語られていて、北ビミニ島の北西に位置している海底遺構のビミニ・ロードはアトランティスの時代の遺構ではないかと考えている人もいるらしい。また他にアトランティス大陸の最後の崩壊は現在の西暦の十月三十一日の夜に始まり十一月一日の朝終わったのだというチャネリング情報を聞いたこともあり、アトランティス大陸が海に沈んでいった記念日に合わせてバハマのビミニ島を訪れたつもりであった私は、ホテルを出た後はすぐにビミニ・ロードのある海辺を目指して歩いて行った。ビミニ島は大きく南北に二つの島があって、私の泊まっていたホテルは北ビミニ島南部のアリスタウンの中に位置していた。そしてビミニ・ロードは北ビミニ島の中の新しくリゾート地として開発が始まっていた北部の海岸エリアに位置していて(注:1)、また北ビミニ島の人の住んでいないマングローブに囲まれた東側のエリアにはヒーリング・ホールと呼ばれるエネルギー・スポットがある。 
北部のビミニ・ロードのある海岸のエリアはすでに前日の日中にも訪れていたのだが、生まれて初めてビミニ・ロード付近の海辺を訪れたときには、なぜか自分がこの海辺を訪れたのが初めてではないといった感覚が起こってしまったのだ。そしてその感覚は私自身の近い前世で、この島のこの海辺を訪れたことがあるのではないかといったものであった。また以前にアトランティスの最期の時期の風景と思われる白い岩場の海辺の景色を夢うつつのビジョンで見たことがあって、ビミニ島の海岸沿いの岩場に立っていると、その時見たビジョンが再び甦ってきてしまうような感覚もあった。 
ビミニ・ロードに近い海辺までやってきて岸辺の岩場に座ってしばらくは遠く海のほうを眺めていた。波のほとんどない静かな夜で少し沖のほうでは釣り船らしき船の明かりがいくつか見えていた。その後しばらくの間瞑想に入った。この夜は海のほうとは反対側の空に月とオリオン座の三ツ星が見えていたのでそちら向きに座った。瞑想を始めたのは現地時間で十一月一日に入ったばかりの深夜の零時過ぎ、目を閉じてすぐに最期の崩壊を迎えていた時期のアトランティスで私の妹であったと感じているアトランティス人女性の霊体が私の近くに宙に浮いた状態で現れるビジョンを見た。それと同時に深い悲しみが込みあげてきて、その後の瞑想の間はずっと涙が溢れ続けていた。そしてただ静かに座り一時間ほどの瞑想を終えた頃にはこの島を訪れたとき以来ずっと続いていた胸の中心に感じられる詰まりのようなものが解放されていく感覚と共にこの島一帯がエネルギー・ヴォルテックスと呼ばれるようなエネルギースポットであることをぼんやりながらも感じ取れるようになっていた。そして空には大犬座のシリウスが輝き始めているのが見えた。 
この時期のビミニ島では日中の時間帯にビミニ・ロードよりもさらに北に位置するビーチを訪れたことがあった。そこは私一人以外に誰もいない真っ白な砂浜で、何もなく誰もいないという意味合いでこのビーチのことを以前誰かのブログに“お金持ちビーチ”と書かれているのを読んだこともあって私自身もその通りだと感じた。その砂浜の真ん中にたった一人で寝転んでいると、複数の透明な存在たちが私の体を取り囲むようにして集まってきてしばらくの間私の全身をヒーリングしているのが感じられた。
そしてこの後ビミニ島がアトランティスそのものであることをはっきりと確信したのは、この時期のビミニ島滞在の最後の日のことで、それはフロリダのフォートローダーデールに向かう飛行機がこの島を飛び立ち機内の小さな窓からエメラルド色の海に囲まれた北ビミニ島が目に入った瞬間のことだった。地球上のパワースポットには、ギザのピラミッド・エリアのようにとてもはっきりとした形でアトランティスのエネルギーとつながることのできるパワースポットがあることはそれ以前からも知っていたけれども、バハマのビミニ島はアトランティスそれ自身のエネルギーといった言葉で表現できるようなオリジナルのアトランティスのエネルギーが存在しているパワースポットであるということがこの時初めて理解されたのであった。 
その後私が最後にビミニ島を訪れたのは二〇〇八年十月末から十一月初旬のことで、この時は四年に一度のアメリカ大統領選の時期とも重なっていた。私の場合、いつの頃からかギザのピラミッドや南インドのアルナーチャラ山のような他の聖地とは別格と言えてしまうような特別に強力なエネルギー・ヴォルテックスを訪れると、現地に到着してからだいたい一週間前後でその土地のエネルギーが私の全身、エネルギー体に充分に浸透してきて、そのエネルギーの影響で意識も一時的に覚醒状態といった言葉で表現できるような状態に至ってしまうことが多いのだが、この時期のビミニ島はちょうど一週間ほどの滞在で、島を発つ日の朝には私の全身から膨大な光のエネルギーが放射されているのが物理的にも強烈に感じられる状態になっていた。しかしながらそういったエネルギー状態に達しても、インドのような霊性の国を訪れている場合を除いては現地の周囲の人達に気づかれることはほとんどないのだが、この日は空港に向かうタクシーの運転手がそれに気づいてしまった様子で、車を降りて荷物を渡す際私に向かって、「ジーザス(イエス)!」と呟いてしまったのだった。きっと彼にはその時の私のエネルギー状態が知覚できてしまい、輝々しい聖者のような姿とダブって見えてしまったのだろうと思う。

(注:1) 北ビミニ島の北部エリアには2015年からヒルトンホテル(Hilton At Resorts World Bimini)もオープンしています

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公開日 2014年10月31日 金曜日

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